クモ生理生態事典

編集/池田博明

目   次
 
(1)前 文, 凡 例, (2)参考文献, (3)略人名索引,
(4)会誌出版年,(5)種名一覧(和名と学名),(6)本 文

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*** 更新日 2000年9月1日 ********

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前   文
 この事典の初版を1987年に自費出版したときには、多くの人々にこれほど利用されるとは思っていなかった.プロとアマの別なく研究者の論文を検索するための種ごとの短文つき記述という前版のスタイルはそのままである.
図を盛り込みたい・記述を整理したい・正確性を再検討したい・もっと多くの文献を参照したいといった希望はあったが,編者に時間がなく,とりあえずのものとなってしまったことをおわびしたい.
 しかし,コンピューターやインターネットのお蔭で,情報の利用や検索は容易になったので,修正も更新も日々行なわれる可能性が出てきたと思っている.多くの人に利用してほしいと思う.
 ただ,利用する方は文献引用をきちんと明示していただきたい.資料は日本蜘蛛学会会誌と東京クモ談話会会誌に偏っているが,各々の会に入会するなりして過去の文献も利用していただきたいと思っている.
 他に情報を発見された方はメールでお知らせいただければ有り難い.
(1998年9月15日記)

初版の前文
 この事典はこれまで調べられた生理生態記事を種ごとにまとめたものである. 編纂の動機は高校の生物部を指導するに当たって生徒に研究の指針を与えるためであった. あるクモを目前にした時,その種についてどれほどのことが今まで調べられているのかがわかれば,研究の目やすもつけやすい.
 とはいうものの私の手元にある資料には限りがあった.完全を期すよりも,ともかくクモ学会の会誌を中心にして作成することにした. その他,いくつかの論文及び単行本も参考にしたが,完全なものではない. 原則として活字になったものを収録した. 学名や和名の変更等で以前の目録にあって,正体不明のものや変更を要するものなどについては資料不足の為,今後の検討課題としたい.
いくつかは記しておいたが記述に統一がとれていない.また種毎の分類学的記述及び生態的記述はもとの論文の記述量とは比例していない. 総じて長い論文ほど短くなった傾向がある.
専門的に研究される方は是非,原文にも当たっていただきたい.省略したところに貴重な示唆があることが多い.
また八木沼健夫著「原色日本クモ類図鑑」(1986年,保育社)には種毎に生態記事や分布が記されている. この事典ではそれらのほとんどを省略した. なぜならこの事典を利用する人は八木沼の図鑑も持っていることを前提としているからである.
図鑑と合せて利用するものと思っていただきたい.
 折りよく吉倉真著「クモの生物学」(1987年,学会出版センター)も出版された. 日本のクモ研究も網羅した本である.この事典と重なる記述も数多い.
 もとの生態記事には貴重な図が含まれているが,ワープロでまとめる関係上,それらはすべて割愛した.
 今度改訂するときはできるだけ図を盛りこみたいと思う.また,できる限りの文献に当たって記述したいと考えている(初版1987年10月10日).

凡 例

主な参考文献

Acta arachnologica 1巻〜(現在);ACと略記し,巻数・号数を示す
Atypus 1号〜100号;ATと略記し,号数を示す
Kishidaia 1号〜(現在);Kと略記し,号数を示す
Logunov,d.V.,H.IKEDA & H.ONO,1997.Jumping spiders of the genera Harmochirus, Bianor and Stertinius (Araneae,Salticidae) from Japan. Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.A,23(1):1-16.〔Logunovら97〕とした.
Ono,H.,1988.A revisional study of the spider family Thomisidae(Arachnida,Araneae) of Japan.Natn.Sci.Mus.,Tokyo.252p.〔小野88〕とした.
Ono,H.,1998.Spiders of the genus Heptathela (Araneae,Liphistiidae) from Kyushu,Japan. Mem.Natn.Sci.Mus., Tokyo, (30):13-27. 〔小野98〕とした.
Ono,H.,2001.自然教育園のクモ類.自然教育園報告,33:173-200.〔小野・新海01〕とした.
Ono,H.,2002.New and remarkable spiders of the families Liphistiidae, Argyrinetidae, Pisauridaem Theridiidae and Araneidae (Arachnida) from Japan. Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo, Ser.A, 28(1):51-60.〔Ono02a〕とした
Ono,H.,2002. First record of the genus Anapistula (Araneae,Symphytognathidae) from Asia. Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo, Ser.A, 28(2):61-64.〔Ono02b〕とした
Ono,H. & H.Saito, 2001. New species of the family Linyphiidae (Arachnida, Araneae) from Japan. Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo, Ser.A, 27(3):159-203.〔Ono&Saito01〕とした
Saito,H.1992.New lynyphid spiders of the genus Arcuphantes (Araneae:Linyphiidae) from Japan. Korean arachnol.,8:13-31.
Saito,H. & H.Ono,2001. New genera and species of the spider family Linyphiidae (Arachnida, Araneae) from Japan. Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo, Ser.A, 27(1):51-59.〔Saito&Ono01〕とした
新海栄一.1969.東京都産真正蜘蛛類.東亜クモ学会
新海栄一.1970.東京都産真正蜘蛛類.Atypus(54):21ー26.
新海栄一.1977.東京都産真正蜘蛛類.Acta arachnol.(27)
新海栄一.1979.八王子市のクモ.日本私学教育研究所調査資料64.
新海栄一.1980.八王子市のクモ.同上72.
新海栄一.1981.八王子市のクモ.同上81.
新海栄一・高野伸二.1984.クモ.東海大学出版会.〔東海84〕と略記した.
新海栄一・高野伸二.1987.クモ基本50.森林書房. 〔森林87〕と略記した.
新海栄一.1998.クモ類による環境評価.Kishidaia,(74):33-100.〔新海98〕と略記した.
中平清監修.1976.学研の図鑑クモ.学習研究社.
八木沼健夫.1968.原色日本蜘蛛類大図鑑.保育社.〔八木沼68〕と略記した.
八木沼健夫.1986.原色日本クモ類図鑑.保育社. 〔八木沼86〕と略記した.
山川守・熊田憲一. 1973.丹沢山塊の真正蜘蛛類.Atypus(60).〔山川・熊田73〕と略記.
山川守・熊田憲一.1979.丹沢山塊の真正蜘蛛類.Atypus(74)〔山川・熊田79〕と略記.
山川隆,1943.蜘蛛の観察,79p.朝陽社.
吉倉真.1987.クモの生物学,613p.,学会出版センター,東京.〔吉倉87〕と略記.

 なお,次の書物には生態的知識が盛られている.入手して参考にされることをお薦めする.
萱嶋泉.1987.アシダカグモ. 誠文堂新光社.
千国安之輔.1980.クモの親と子. 偕成社.
千国安之輔.1982.クモたちの狩り. 偕成社
千国安之輔.1983.クモの一生. 偕成社
千国安之輔.1989.写真日本クモ類大図鑑. 偕成社.〔千国89〕と略記
細野善熙.1943.クモの習性.(「全集日本動物誌18」講談社,1983).〔細野43〕と略記
中平清.1983.クモのふるまい. 著者自刊.〔中平83〕と略記
中平清.1992.続クモのふるまい. 著者自刊.〔中平92〕と略記
中平清.1994.私と生き物たち. 著者自刊.(クモの記事は後半約90頁.高知県産クモ目録)
中平清.1997.続私と生き物たち. 亜細亜書房.(クモの記事は40頁)


略人名索引

氏名を略していない人はフル・ネーム

会誌出版年

(出版年度ではなく,発行年とした)

1936 AC1(1,2,3,4)
1937 AC2(1,2,3,4)
1938 AC3(1,2,3,4)
1939 AC4(1,2,3,4)
1940 AC5(1,2,3,4)
1941 AC6(1,2,3,4)
1942 AC7(1,2,3/4)
1943 AC8(1/2,3,4)
1944 AC9(1/2)
1945 AC9(3/4〕
1946
1947 AC10(1/2)
1948 AC10(3/4)
1949 AC11(1/2,3/4)
1950 AC12(1/2)
1951 AC12(3/4)
1952 AC13(1) & AT1,2
1953 AC13(2) & AT3,4
1954 AC13(3/4) & AT5,6,7
1955 AC14(1) & AT8,9,10
1956 AC14(2) & AT10,11,12
1957 AC15(1) & AT13,14
1958 AC15(2),16(1) & AT15,16,17
1959 AC16(2) & AT18,19
1960 AC17(1) & AT20
1961 AC17(2) & AT21,22,23/24
1962 AT25,26/27
1963 AC18(1),18(2) & AT28,29,30,31
1964 AC19(1) & AT32,33/34,35
1965 AC19(2) & AT36,37,38
1966 AC20(1) & AT39,40,41/42
1967 AC20(2),21(1) & AT43,44,45
1968 AC21(2) & AT46/47,48
1969 AC22(1),22(2) & AT49/50,51/52 & K1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12
1970 AC23(1) & AT53,54 & K13,14,15,16/17,18,19,20/21
1971 AC23(2),24(1) & AT55,56,57 & K22〜28
1972 AC24(2) & AT58,59 & K29〜32,33,34
1973 AC25(1) & AT60,61 & K35,36,37
1974 AC25(2),26(1) AT62 & K38
1975 AC26(2) & AT63,64,65,66 & K39
1976 AC27(1) & AT67,68 & K40
1977 AC27(2),27S & AT69,70 & K41,42
1978 AC28(1) & AT71,72,73 & K43
1979 AC28(2) & AT74,75 & K44
1980 AC29(1),29(2) & AT76,77 & K45
1981 AC30(1) & AT78,79 & K46,4
1982 AC30(2),31(1) & AT80,81 & K48,49
1983 AC31(2),32(1) & AT82,83 & K50
1984 AC32(2) & AT84,85 & K51
1985 AC33(1),33(2),34(1) & AT86 & K52,53
1986 AC34(2),35(1) & AT87,88
1987 AC35(2) & AT89,90 & K54,55
1988 AC36(1),36(2),37(1) & AT91,92 & K56,57
1989 AC37(2),38(1),38(2) & AT93, 94 & K58,59
1990 AC39(1),39(2) & AT95,96 & K60
1991 AC40(1),40(2) & AT97,98/99 & K61,62
1992 AC41(1),41(2) & AT100 & K63,64
1993 AC42(1),42(2) & K65
1994 AC43(1),43(2) & K66,67
1995 AC44(1),44(2) & K68
1996 AC45(1),45(2) & K69,70
1997 AC46(1),46(2) & K71,72
1998 AC47(1),47(2) & K73,74,75
1999 AC48(1),48(2) & K76,77
2000 AC49(1),49(2) & K78,79
2001 AC50(1),50(2) & K80,81
2002 AC50(1),50(2) & K82,83


種名一覧


和名五十音順一覧




学名一覧




本 文


 ○ジョウゴグモ科 Dipluridae